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逆引きマーケ Vol.8:
名前は未来への宣言

先日、ある地域メディアの方とお話をする機会がありました。

話していてとても楽しい方で、その方は、こんなことをおっしゃいました。

「媒体を持つって強いですよ。どこでも、誰にでもコンタクトできますから。」

そのメディアは、地域のお店やイベント、人の活動などを紹介する記事が中心です。

それなのに、名前には「経済新聞」とあります。

最初は少し不思議でした。

地域の出来事を伝えるなら、「地域新聞」でもよいのではないか。

そんなことを思ったのです。

でも、考えているうちに気づきました。

「経済」とは、株価や企業の決算だけではありません。

新しいお店ができること。

地域でイベントが開催されること。

地元企業が新しい挑戦をすること。

それらもすべて、地域の経済を動かしています。

つまり、その名前は記事の内容を説明しているのではなく、

「私たちは、地域の経済活動を伝えるメディアです。」

という立場を表しているのではないでしょうか。

なるほど。

そう考えると、「研究所」「ラボ」「アトリエ」「工房」といった名前も同じです。

実際の業務内容を説明しているというより、

「私たちは、こんな考え方で価値を生み出しています。」

という姿勢や世界観を表しているように思えます。

一方で、創業したばかりの会社では、社名や商品名を考えるとき、

「〇〇製作所」「〇〇加工業」「〇〇除去剤」

というように、仕事内容や商品の機能をそのまま名前にすることがあります。

もちろん、それが悪いわけではありません。

何をしている会社なのかが伝わることは、とても大切です。

でも、その一歩先を考えてみてもいいのではないでしょうか。

私たちは、自分たちの仕事は一生懸命説明します。

でも、

「この会社は、どんな考え方で仕事をしている会社なのか。」

そこまで伝えられているでしょうか。

マーケティングとは、商品を売る技術ではありません。

「どう見られたいか」を考えることなのかもしれません。

だからこそ、社名や商品名は、機能を説明するだけではなく、

「どんな価値を届けたいのか。」

「どんな会社として覚えてもらいたいのか。」

「どんな存在として社会に貢献していきたいのか。」

そんな想いまで込めて考えてみる価値があります。

振り返ってみると、私自身も知らず知らずのうちに、そんなことをしていました。

「マーケターズラボ・マサオフィス」という名前も、Web制作会社という肩書きではなく、お客様と一緒に考え、一緒に育てる存在でありたいという想いから生まれました。

そのときは、特別にマーケティングを意識したり、フレームワークを並べたわけではありません。

でも今思えば、それも「知らずにやっていたマーケティング」。

「逆引きマーケ」だったのかもしれません。

社名も、商品名も、肩書きも。

正解は一つではありません。

でも、一つだけ言えることがあります。

名前は、過去を説明するためにつけるものではありません。

未来に向かって、「私たちは、こんな存在になりたい」と宣言するものなのだと思います。

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